ハーバードビジネスレビューから、"TimeBack Management"の代表であるDaniel Markovitz氏による記事を紹介します。彼は、To-Doリストの使用は失敗とフラストレーションを招くだけで無益だと言います。To-Doリストが役に立たない5つの原理的な問題とは一体何なのでしょうか。
1.選択のパラドックス(矛盾)
選択肢が増えると、判断するための機会費用が増大するため、ネガティブな感情が増す。To-Doリストに書き込んだ数多くのアイテムのせいで、脱力したり、実際の仕事のかわりに一時間もEメールチェックをするような状態になってしまう。
2.異種複雑性
3分で処理可能なタスクと33分かかるタスクがリストに含まれていると、短時間でできる方にいつも意識が向かってしまう。心理的報酬と、リストから項目を消す際のドーパミン放出が原因。
3.異種優先性
リスト内のアイテムに優先順位を設けるとき、優先度Aの事項を気にかけ、優先度Cの事項は優先度Aになるまで放っておかれがち。しかし、車の整備が優先度Cだったとして、午前3時に自宅から遠く離れた場所で車が故障して優先度Aになったとしたら?
4.コンテクスト(文脈)の欠落
To-Doリストでは、それぞれのタスクにどれだけ時間がかかるのか、自分がそれにどれだけ時間を使えるのかといった重要な情報を得ることができず、結局何をすべきかを決められない。
5.コミットメントデバイスの欠如
To-Doリストでは、重要なタスクより楽しいタスクを選んでしまうことを防ぐことができない。コミットメントデバイスとは、本来なら選ばないであろう行動方針に自分をロックする機能を持つもの。
To-Do Lists Don't Work - Daniel Markovitz - Harvard Business Review
To-Doリストは役に立たないとして、かわりに氏が勧めるのはカレンダーです。To-Doリスト内のタスク群を、それぞれどれだけ時間がかかるのかを見積もってカレンダーに移し、つまりは仕事のための生産計画を作成するべきだと提唱しています。いつどのアイテムに取り組むかが決まることによって、選択のパラドックスが克服され、異種性が補正され、締め切りというコンテクストが与えられ、コミットメントデバイスが提供されるそうです。
To-Doリストを単独で使用して、やりたいことを単に羅列するだけではダメなのでしょう。確かに、重要だけど辛くて大変なことはデッドラインが設定されていないとなかなかやる気がおきません。つまるところ、時間の概念も加味しないと、やるべきことなんて決まらないということでしょうね。