
現実歪曲空間とは、聴衆を巻き込み感動させる、現実を歪曲した空間のことです。この言葉は、アップルのスティーブ・ジョブズ氏のプレゼンテーションの凄さを説明する際によく使われています。
しかし、作家のMichael Ellsberg氏はスティーブ・ジョブズを超える現実歪曲空間を生み出す人物がいると言います。それはクリントン元大統領だそうです。しかも、その方法は誰にでも真似することが可能だと言います。
以下、元記事からの超訳で、3つのステップで現実歪曲空間のつくるための訓練方法を具体的に学び、最後にクリントンが実際に現実歪曲空間をつくっている動画を見てみましょう。
ステップ1:見知らぬ人と短時間、目を合わせる訓練をする
歩道を歩きながら、すれ違う人々の目を見ます。目の色がわかるくらいの時間、一秒以内です。それから目を逸らします。アイコンタクトの時間が十分に短ければ、誰も全く気にしませんし、練習にはもってこいです。
ウェイターや店員、レジ係、サービススタッフなどに対しては、より長い時間のアイコンタクトを実践できます。もちろん、礼儀正しく、友好的に行うべきです。
無表情を保ったまま、優しく見るようにしましょう。でないとトラブルのもとになります。1~2週間も日課のごとく練習すればたいていの人よりアイコンタクトの質が良くなるでしょう。
ステップ2:パーソナル・スペースの扱い方を学ぶ
上司や見知らぬ人があなたの顔に近づいてきて不快な思いをしたことがあるでしょう。現実歪曲空間の達人たちは、あなたを安心させ心地良くさせながら近づくことができます。そうして、さらに親近感や信頼感を得るのです。
どうやっているのでしょうか?達人たちはパーソナル・スペースの扱い方を熟知しているのです。パーソナル・スペースとは、誰かが踏み込んできたときに不快に感じる領域のことです。
興味深いことに、私たちのパーソナル・スペースの感覚は単に物理的な近さによって構成されているのではありません。たくさんの他の心理的要素が影響します。一般的に、物理的に近いとより強く感じるのは以下の場合です。
・直接視線を交わす
・正面から向き合う(横に並んで立つのと対照的)
・触れられる(ヒジや背中、腕、肩)
・声を上げられる
・あなたについて話される(中立的な話題と対照的)
見知らぬ人にこれらのことを同時にされると、あなたはパーソナル・スペースが犯されたと感じ「どっか行け!」という感情を持つことでしょう。
他方、もしもこれらの要素を和らげ、違った方法で組み合わせることができれば、相手に安心感と気楽さを持たせ、同時に親近感も獲得できるでしょう。
アイコンタクトを増やすときは、体を後ろに傾けたり、少し離れて立ったりして、相手を安心させましょう。込み合った部屋にいるせいで物理的に距離が近い場合は、声の大きさを落としてみましょう。誰かの背中を叩いたり腕に触るときは、相手の正面ではなく斜めの位置に立ちましょう。
こうした要因によって、会話相手に警戒感を抱かせることなく、自然に関係をより親密なものにできます。現実歪曲空間をつくれる人々はこのスキルの達人です。そして、その技は非常に誘惑的です。
ステップ3:存在感を与える訓練をする
相手と目を合わせていたと思ったのに、相手が自分の話を聞いていなかったなんて経験はありませんか。数秒ごとに新しい情報が入ってくる今の時代に目の前の相手に注意を集中するのは困難なことですが、やってみる価値はあります。
一週間の間、誰かと話しているときにいつも、自分の心が雑多な事柄、たとえば洗濯や請求書の支払い、同僚からの悪口、パーティーで目をつけた異性などに流れていることを意識してください。そうした自分の内面の揺らぎに気づいたら、その瞬間に話してる相手に注意を戻してください。あなたの評判が上がることは間違いありません。
私たちは現在、誰もが他人に向ける注意は数秒も持っていないかのような世界に生きています。誰かに注意を払うことは非常にまれです。「注意を払う」という言葉を良く考えてみましょう。少なくとも工業化した社会において、「注意」はお金と同じくらい希少なものになってしまいました。誰かがそれをあなたに「払う」ということは、真に価値あるものをあなたにあげるということなのです。
クリントンは気前良く注意を払います。私たちに本当に関心を持ってくれていると感じさせます。これこそが、人々が彼と話すのが好きな理由です。
「まるで部屋に二人きりでいるかのような感覚」、これこそがクリントンが呼び起こすのが極めて巧みなものです。彼のアイコンタクト、パーソナル・スペースの注意深い使い方、一度誰かと話し始めると揺るがない配慮の3つに起因するものです。
これら3つの要素の組み合わせ方を学ぶことが現実歪曲空間を身につける道です。クリントンによる格好の実例が下のビデオです。
1992年10月15日の大統領候補討論会にて、客席の女性からの質問にパパ・ブッシュとクリントンの二人が順番に答える場面です。クリントンのスピーチは2分30秒からですが、二人の対比が面白いので最初からご覧になるのをおすすめします。
表情や目線、しぐさ、歩き方などに注目してください。この討論会の結果、視聴者の58%がクリントンを勝者とし、パパ・ブッシュは16%にすぎませんでした。翌年クリントンは大統領に就任します。
「人たらし」になれということでしょう。彼らがどこまで意図的にやっているのかはわかりませんし、素質や才能もあるでしょう。しかし、努力で補える部分もあると思わせてくれる内容です。説得術やモテる技術にも通じそうですね。
How It Works: Clinton’s “Reality Distortion Field” Charisma
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